PDCAサイクルはもう古い!これからは「U理論」で問題解決 その1


どの業界であっても、新入社員の時代に学ぶ理論の一つに「PDCAサイクル」があります。

計画→実行→評価→改善のサイクルで企業活動やプロジェクトを推し進めるべきであるという、一見して非常に説得力のある概念です。

このサイクルを繰り返すことにより、作業効率はますます向上し、企業はどんどん成長する、そんなイメージは沸くのですが、実際やってみるとそんなに簡単なことではないことが分かります。

そこで新しい概念「U理論」が登場してきました。

PDCAサイクルを実際に試してみると気付くことは、過去の事例をどれだけ分析し、改善するようにしたとしても、これから先、状況がどうなるかは誰にも分からないということです。

その点、MITのオットー・シャーマー博士の提唱した「U理論」はわたしたちの目を過去にではなく、将来に向けます。

もちろん、神様でもない以上、将来のことを見通すことはできませんが、判断する基準をわたしたちの「ロジック」から「直感」へとズラすことにより、「今、この瞬間に現れ出る未来」を感じ取ることは可能だと言います。

そして、そのプロセスを視覚的に表すと、PDCA理論のようにグルグル繰り返されるものではなく、U字的に飛躍するように感じられることから「U理論」と呼ばれています。

では、凡人がいったいどのようにして、「今、この瞬間に現れ出る未来」を感じ取り、それに基づく判断が出来るのでしょうか?

オットー博士によると、その前段階には「ただひたすら観察する」プロセスが必要だと言います。

大事なことは、このプロセスにPDCA理論を当てはめないことです。つまり、観察したことをロジカルに分析して、そこに意味を求めたりせずに、まずはとにかく「観察し、感じる」ことです。このプロセスは「センシング」と呼ばれます。

やってみると、「ひたすら観察する」ということがどれだけ難しいかが分かります。人間の視点には必ずバイアスがかかっていますから、完全に「純粋無垢」な視点で何かを見ることは不可能です。

また、目の前の人やモノを意味付けすることで、人間は心地よさを感じるようになっています。

そこで、そうした偏見や過去の思考の枠組みに当てはめようという動きが心の中に生まれてきたら、いったんそれを「保留」するようにします。

最初は「保留する」ことを忘れてしまいますし、自分に「保留、保留」と言い聞かせ続ける状態が苦しく感じられますが、しばらく続けていると、自分の中での変化に気付くようになります。好奇心が豊かになり、感覚が以前よりも研ぎ澄まされてくることがわかるでしょう。

観察によって裏付けられた感覚はいまや論理よりも頼りがいのある判断根拠になり、そこから生み出される直感的な判断は、知恵に満ち溢れたものになります。

では、ここからどのように「未来が現れ出るのか」、次回この続きをご説明したいと思います。

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この記事の著者

木下 まさひろ

木下 まさひろ

学習塾、法律事務所勤務を経て、現在は海外在住。『Festina lente(ゆっくり急げ)』を座右の銘に真のスローライフを実現すべく奮闘中 。毎朝の野菜ジュースと週3回のジムは欠かさない。40代前半。

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