速読したくてもできない人へ、「遅読のススメ」


書店に行くと「速読」に関する本が溢れています。大量の情報を処理する必要があるビジネスマンにとって少しでもスピーディに本を読めたら、というのは共通の願いです。

しかし、いろいろと試したけど、自分には速読は向いていない、と感じる方も多いようです。

一つの原因はスマートフォンの普及です。WEBの文章は読み手の負担を減らすように書かれていますから、文字を真剣に追わなくても読めます。多くの人はこの読み方に慣れてしまっているのです。

同じような読み方で書籍を読んでも内容が頭に入ってきません。ただ、スピーディに本を読んでも、全然頭に入ってこないのであれば、速読の意味もないでしょう。

遅読は「読書に対する見方」を変えることから始まる

速読の反対は「遅読」、つまりゆっくりと本を読むことです。といっても、これは本のジャンルや種類にかかわりなく、ただゆっくり読めば良いということではありません

ビジネス上のノウハウや何かをリサーチするために目を通す資料は「遅読」には向いていません。

その名も「遅読のすすめ」という本を書いた山村修氏は「必要があって本を読むとき、わたしはそれを読書とは思っていない」と述べています。

言い換えると、遅読は「楽しみや幸福のために」なされる読書に限って行うべきだと言っているのです。

食事に例えると分かりやすいかもしれません。仕事上で資料に目を通したり、WEB上のコンテンツを読んだりするのは、言ってみれば一定のエネルギーと栄養を吸収し、消化するための食事のようなもの。しかし、お気に入りのレストランにいって、ひいきにしているシェフの料理をいただく時は、素材の良さ、味付けの素晴らしさを一口一口ゆっくりと味わうはずです。

遅読するのに向いている本とは?

これまで読んだ本で自分の人生が変わった1冊を選ぶとしたらどんなジャンルを選ばれますか?

おそらくビジネス書の特定の1冊を選ぶ方は少ないでしょう。ビジネス書は確かに仕事の効率を向上させ、新しい視点を与えてくれますが、1人の人間を根底から変える力はありません。

人間を根底から変える力を持つ本、それはずばり「古典」です。多くの成功している経営者が古典を勧めるのにもそこに理由があります。

「古典」とはその名の通り、数百年、千数百年読み継がれてきた本ですから、そこには人間社会のあらゆる事象に対応できる普遍的な原則が収められているのです。

今の40代の方々はきっと古典に触れたことがあまりない世代でしょう。日本の古典でも、世界の古典でも良いですから、是非手にとって遅読しましょう。嬉しいことに人間が築いてきた知恵は古本屋に行けば100円で買えてしまいます。

ベストセラー、ビジネス書の速読多読も良いですが、情報にあふれた時代だからこそ、「根のある人間」になるために、遅読を心からオススメします


この記事の著者

木下 まさひろ

木下 まさひろ

学習塾、法律事務所勤務を経て、現在は海外在住。『Festina lente(ゆっくり急げ)』を座右の銘に真のスローライフを実現すべく奮闘中 。毎朝の野菜ジュースと週3回のジムは欠かさない。40代前半。

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