
日本人はコーヒーにかなりのこだわりを持つ国民です。
今やコンビニで飲める100円の本格的なコーヒーが当たり前になりましたが、そのサービスが実現したのも、日本のビジネスパーソンのニーズがあったからにほかなりません。
仕事中の一杯のコーヒーは癒しを与えてくれるもの。以下ではその理由に迫ってみましょう。
コーヒーの香りは感情を動かす
マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」には、紅茶に浸したマドレーヌの香りによって幼い時の記憶が引き出される場面があります。私たちも同じような経験をしたことがあるのではないでしょうか?
記憶の詳細な情報は目や耳に頼りますが、本質的に「楽しかった」、「嫌だった」という感覚的な記憶は「匂い」と結びついていることが多いはずです。
高度に目や耳から入る情報が発達した社会では、嗅覚の機能はどうしても退化しがちですが、仕事中も私たちはコーヒーの香りを嗅ぐことによって、その本質的な部分を呼び覚ますことができるのです。
その1つがリラックス効果ですが、どのコーヒー豆も同じようにα波が出るわけではなく、ブルーマウンテンとグァテマラの効果が特に高いことが実験によって証明されています。
コーヒーの中の成分がどのように結びついてこうした効果が生まれているかはまだわかっていませんが、ブルマンの値段が高いのにはそれなりの理由があるということでしょうか。
コーヒーは身体も癒やしてくれる
ランチにお肉やお魚などの高タンパク質のものや、塩辛いものを食べると、食後のコーヒーが飲みたくなるという方も多いと思います。
これは体が「ナトリウム」と「カリウム」のバランスを取ろうとしている表れです。
この2つが体内でバランスを保ってはじめて体の細胞の浸透圧調整が行われるのです。
野菜にはカリウムが多く含まれていますが、現代人は野菜不足に陥りがち。それで、それを補うためにコーヒーを飲み、体は知らず知らずのうちにバランスをとっているのです。
午後の仕事を始めるにあたって、コーヒーを飲んで「ほっとする」のは単に精神的な癒しだけではなく、体が摂るべきカリウムを摂取して「ほっとしている」ことの表れなのかもしれません。
コーヒーをうまく活用して仕事の効率を上げる
コーヒーにはリラクゼーション効果のみならず、集中力を高める効果もあると言われています。
つまり、コーヒーはブレーキだけでなく、アクセルの働きもあるということ。うまく活用することによって仕事にメリハリをつけることができる貴重な仕事のパートナーと言えそうです。