

健康診断でコレステロール値が高いといわれたことがありますか?
コレステロール値には3種類あり、「総コレステロール」値と一般に「善玉コレステロール」と言われるHDLが高いぶんにはよいのですが、「悪玉コレステロール」と言われているLDL値が基準値より高いと動脈硬化や心筋梗塞の危険があるといわれています。
またすべてが基準値内でも悪玉コレステロールの値が善玉コレステロールの値よりも2倍以上有る場合にも同じ危険が潜んでいると言われます。
中年になると今までと同じように好きに食べていてはコレステロールや脂肪は溜まってしまう一方です。それは世界中の人が同じであり、中国人でもそうです。
しかし、中国人はまずは食事内容を変え、それでもダメなら漢方薬を飲むという、基本的に食事と大自然の力で治す方が多いように思います。
私たちがふだん飲んでいる薬は一般に「西薬」と言われていますが、それを飲むのはかなりひどくなってからか入院するほどひどい時、よほど緊急な時くらいです。
中国人の朝食は身体にエネルギーを蓄えると同時にとても健康なものが多くあります。毎日の食事にコレステロール値を正常にし、健康を保つのに役立つ食材を取り入れて薬を飲まなくてもコレステロール値が維持できるようにしてみませんか?
1:燕麦(オートミール)

オートミールは中国語で「燕麦片」と言われます。オートミールは欧米人が好むものという印象があるかもしれませんが、中国人や香港人の中年以降の方々も良く食べています。
燕麦には豊富な水溶性食物繊維が含まれています。水溶性の食物繊維は水に溶ける性質で善玉菌のエサとなって善玉菌を増やしたり、溶けてゲル状になった食物繊維がコレステロールや胆汁、塩分、糖分に吸着し、腸の壁から吸収される速度を遅くしたり、要らないものは便として排出させる機能があります。
これを毎日続けることで血中コレステロール値を抑制することができます。研究結果によると毎日50gの摂取を続けた結果87%の人にコレステロール値の改善がみられたようです。
中国で売っている燕麦は何の味も付いておらず、お鍋で牛乳と一緒に煮るタイプと、煮ないで直接食べられるタイプがあります。食べ慣れないとなかなか食べにくいと思うかもしれません。私はコーンフレークやフルーツと牛乳を混ぜて食べています。
日本でも最近グラノーラが大人気のようですが、「フルーツグラノーラ」はオートミールに味をつけてドライフルーツを混ぜたものですから、同じようにオートミールがより美味しく手軽に食べられます。ただし糖分が多くなっていますから、その点は注意が必要です。

2:豆乳(豆浆ドウジャン)

豆乳には良質のたんぱく質と豊富な水溶性食物繊維が含まれており、やはりコレステロールを下げる効果のある食品です。
中国の朝ごはんには、作りたての温かい豆乳と包子(バオズ)と言われる肉まんのようなものを食べることが多くあります。1-2元で売っているので、仕事や学校の前に買って食べることが多いのですが、多くの家庭に豆乳製造器があり、自宅で作って飲んでいます。
この豆乳は煮大豆を砕いて水で煮たもので、できたて熱々の豆乳はそれはそれはとてもおいしいんです。豆乳製造器はマイナーですが実は日本でも売っていますので、毎日の健康のために美味しい豆乳を自分で作りたいという方はこちらの機会を利用するのもお勧めです。
個人的には家庭で作った熱々の豆乳に燕麦を入れて食べるのが気に入っています。ダブルの効果でコレステロール値が下がること間違いなしでしょう!
・豆乳製造器

http://item.rakuten.co.jp/kireispot/ti171/
3:サーモン(三文魚)マグロ(吞拿魚)などの青魚

中国では高級魚のサーモンとマグロ(ツナ)。日本食が話題になる前から海沿いではサーモンを刺身として食べたり、アラ煮にしたりして食べられてきました。その他にもたくさんの種類の青魚が採れるので骨ごとスープに入れてだしをとり、朝食に飲まれています。もちろん焼いたり蒸したり、カマやアラを煮てご飯と炊いたりもされます。
これらの魚に含まれているDHA・EPAはオメガ3に分類される多価不飽和脂肪酸で、コレステロール値を下げる働きがあります。
和食でも鮭の切り身やマグロの煮魚は朝食でも好んで食べられていますから、朝はご飯! という方は鮭かマグロの定食にしてみてはいかがでしょうか? 缶詰めでもいろいろな味がでていますから、時間がない時には手軽に利用してみましょう。
薬膳とは毎日の食事を工夫することで病気を治していく中国人の知恵です。朝ごはんを変えるだけでもコレステロール値を下げることができます。食事を変えても下がらないという場合には生薬を煎じて飲む漢方茶という方法もありますのでご紹介していきたいと思います。乞うご期待ください。