「契約書」と「覚書」の違いとは?(部下の前で恥をかかないアラフォー上司の知恵袋)


「契約書」、「覚書」、「確認書」……。ビジネスの現場で取り交わされる書面って、いろいろな表題のものがありますよね。でも、それぞれの意味や重要度の違いって、いままできちんと教わる機会がなかったのではないでしょうか。

そこで今回は、「契約書」と「覚書」に関する基礎知識をここでサクッと共有しておきましょう。

「先輩、『契約書』と『覚書』って、どう違うんですか?」

想定外のことを不躾に聞いてくる部下がいます。アラフォー上司のあなたなら、ここで恥をかくことなく、スマートに教えてあげられるよう知識武装しておきましょう。

「契約書」をつくるべき、2つの理由


ご存じのとおり、「契約」というものは「口約束」でも有効です。例えば、得意先に電話をかけ、緊急の仕入れに対応してもらったとします。このとき、「契約書」がないからといって、納品されたその事実が無効にはなりません。支払い義務が発生しないわけでもありません。契約自体は、「契約書」があってもなくても有効なのです。

しかし、「口約束」には、つぎのような2つの危険があります。

(1) 口約束は契約内容が明確でないことがあり、あとで争いとなるおそれがある

(2) 口約束では契約内容を証明するものがなく、裁判となった場合に思わぬ不利益を被ることがある

その点、「契約書」には、その契約が成立した証拠としての能力があります。あとで「言った」「言わない」の水掛け論を防ぐ役割があります。取引の証拠となる「契約書」は、ぜひ当事者双方で作成しておきましょう。

「覚書」の法的効力は、「契約書」と同じ


「契約書」、「覚書」、「確認書」、「念書」……。ビジネスの現場で使う書面にも、いろいろな表題が用いられていますね。それぞれ法的効力に違いはあるのでしょうか。

じつは、表題自体に法的効力はありません。あくまでも、書面に記載された契約内容でその法的効力が判断されます。

例えば、いままで「契約書」として用いていた書面の表題を、「覚書」にすり替えて作成したらどうでしょうか。じつは、何も変わりません。契約内容が同じならば、表題がどのようになっていても効力は同じなのです。

ちなみに「覚書」とは、すでにある「契約書」の一部を変更、追加、削除などを行う場合に用います。この「覚書」は、「契約書」と同様の法的効果を持つ、というわけです。

当事者の一方だけがつくる「念書」も契約書のひとつ

このほか、「念書」のように、当事者の一方が自らの意思を書面に起こして他方に渡す、という一方通行のような形式もあります。

じつはこちらも、契約成立の法的効力を持つ「契約書」のうちのひとつです。法律上、「契約書」の形式にその定めがないのです。ビジネスの現場でいま用いられているさまざまな形式は、過去の慣行によって作られたものなのです。

まとめ


「契約書」と「覚書」は、その法的効力についてはどちらも同じなのです。表題による違いはありません。契約の基礎知識として、そこは覚えておきましょう。

もし後輩から「先輩、『契約書』と『覚書』って、どう違うんですかね?」と聞かれても、「覚書も『契約書』なんだよ」と、あたりまえのごとくスマートに教えてあげてくださいね。


この記事の著者

喜納 浩

喜納 浩

カーディーラー営業職、厚生労働事務官職を経て独立。現在はフリーランスライター/エグゼクティブコーチ。プライベートではファンクショナルトレーニングを継続中。細マッチョを目指す。

この著者の最新の記事

関連記事

ページ上部へ戻る