「棋士の羽生善治氏」に学ぶ 直感力を鍛える方法


何か重要な決定を行う際にはよく熟慮することが良いとされます。必要な情報、関係する事実を収集し、それをロジカルに並び替え、じっくり思考して初めて正しい決定を下すことができると多くの方は信じているでしょう。「直感力なんて当てになるの?」と誰もが思うはずです。

なぜ直感力が求められるのか?


しかし、世の中が複雑になり、決定すべき将来のことについてすべての情報を収集することなど不可能ですし、次々と目の前に押し寄せてくる問題をスピーディーに処理していかなければ物事は進みません。

では、直感力とは何でしょうか?

「天才」や「成功する法則」に関する著書があるマルコム・グラッドウェル氏によると、「直感力」とは「輪切り」のようなものだと言います。

つまり、瞬間的にその人全体を切り取ってしまう、あるいはある事実の背後にあるものまで一瞬にして見抜いてしまうような能力だと言うのです。

直感力の達人


直感力の達人といえば、直感に関する著作も出している棋士の羽生善治氏がいます。羽生氏が直感を大事にしているというとなんだか意外に気がします。なぜなら、見ていると分かるように将棋の対戦には長い時間がかかるからです。

しかし、彼は次の一手は直感で決めると言います。時間がかかるのは、さらにその一手の300~400手先まで検証しているからだそうです

このことから分かるのは、直感力とは、直感を大事にするものの、感覚だけで最後まで突き進むわけではなく、直感を裏付けるためのプロセスとセットになっているということです。

男女間の出会いを例に挙げればよく分かりますが、初めて会って言葉も交わす前に「この人だ!」と感じた直感は大事にすべきですが、その場で会話もかわさずにプロポーズすべきではない、ということです。やはり、その相手と交際し、その直感に「肉付け」していく作業は必要です。

直感力を鍛えるためには


羽生善治氏は決してなんとなく次の1手を選んでいるわけではありません。瞬間的に言葉では表現できなくても、「これしかない!」という確固たる根拠を自分の内面に持っているのです。

そして、彼によればそうした直感力を鍛えるためには多様な価値観を持ち、幅広い選択を可能にしておくことが必要だと言います。

人間は多くの決定を考えることもなく、ほとんど習慣的に行っていると言います。特に同じ会社に何十年も務め、その会社のルールにどっぷりと浸かり、同じような毎日を過ごしていれば、直感力を鍛える機会などありません。

では、どうしたら良いのでしょうか?

別に会社を変えたり、家族をないがしろにして、刺激的な付き合いや出会いを求めたりする必要もありません。大切なことは日常に転がっている決定の機会を大切にするということです。

いままで習慣的に「こんなものだろう」、「こうするしかない」と習慣的に決めてきたことを別の角度から眺めてみるのです。昼にいつも牛丼を食べていたなら、インドカレーにしてみることから始めてみても良いでしょうし、通勤手段を電車から自転車に変えてみるのも良いかもしれません。

こうした普段とは違った刺激が私たちの内在的な力を引き出し、直感力を鍛えてくれるのです。無駄なこともあるかもしれませんが、とにかくやってみると経験値が高まり、感覚が徐々に研ぎ澄まされてくるはずです。


この記事の著者

木下 まさひろ

木下 まさひろ

学習塾、法律事務所勤務を経て、現在は海外在住。『Festina lente(ゆっくり急げ)』を座右の銘に真のスローライフを実現すべく奮闘中 。毎朝の野菜ジュースと週3回のジムは欠かさない。40代前半。

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