高校留学の勧め-日本を「外から見る」意味-


高校留学の決意


高校2年生の時に、1年間アメリカへ留学しました。

中学生の時から「日本の外の世界を見てみたい」と強く思っていたことに加え、当時にしては異文化体験に対する親の理解が寛大だった為、準備を進めた結果、晴れて「高校交換留学」という切符を手に入れることができました。

私が16歳の時に体験した留学生活は本に出来るほど沢山のエピソード、失敗、気付きがありましたが、その中でも特に印象に残り、私が以後「日本とは何か?」を真剣に考えるきっかけになった友達(アメリカ人)とのやり取りをご紹介したいと思います。

昭和の終わりを海外で迎える


こともあろうに私が留学したその年、昭和が終わり、平成が始まりました。

忘れもしない、年が明けて間もなくのある日学校に行くと、同級生の男の子が

「Japanese Emperor passed away, do you know that?(日本の天皇が亡くなったの、知ってる?)」

と話しかけてきました。当時はインターネットもなく、毎日宿題に追われていた私はニュースを見る時間も確保できなかった為、まさに「寝耳に水」の情報でした。

つたない英語で「全然知らなかったわ、教えてくれてありがとう」と伝えたのを覚えています。

問題は、その後彼から投じられた一撃の質問です。

「So, what do you think about Japanese Emperor? (日本の天皇についてどう思うの?)」

あの時に衝撃は、今でも忘れられません。「天皇について?どう思う・・・・!?」そう、それまでの私は、日本の天皇制度とか、天皇の存在についてなど日本語でさえも考えたことがなかったのです。

今まで母国語で考えなかったことを、他の言語で言えるはずがないことに初めて気づいたと同時に、日本の外に出るということは、自分は小さな日本の代表であり、日本に関するあらゆることを聞かれる可能性があるのだと痛感した瞬間でした。

忍者はいるの?


海外に出ると、悲しいほど日本は正しい形で理解されていなかったり、自分が無意識に行っている行動が多くあるのだ、と思い知らされます。

・忍者はどこに住んでいるの?
・中国まで、電車でどれくらいかかるの?
・あなたは日本では毎日「着物」を着るの?
・どうして笑う時、口に手を当てるの?
・女性が男性にビールをついであげるのは何故?
・キリスト教ではないのに、日本人はクリスマスを祝うの?(クリスマスを祝わない宗教は沢山ある)

挙げればきりがありません。

でも、これらの質問攻めにあう毎日を過ごした結果、私が辿りついた結論がありました。

それは

(1) もっと日本のこと、日本の文化、日本人の考え方を勉強して、他の国の人に説明できるようになろう
(2) 自分の文化を外国の人に説明する為には、「言葉」を習得しなければ始まらない

以上の2つです。

高校生の時点でこれに気付けた私は、本当にラッキーだったと思います。

国外に出ないとわからないこと


2020年オリンピックも決まり、グローバル化が叫ばれ、英語や語学の重要性が日に日に認識されつつあります。もちろん、国内での日々の努力や語学の勉強は大切です。決して無駄にはならないでしょう。

それでも私は、若者達には「とにかく一度、国外に出てみて下さい」と言い続けています。

何故なら、日本の本当の姿は自国の外からしか見えないことだらけだからです。

異文化体験から得た「感覚」や「感性」は、国内で身に付けるのは非常に困難ですし、むしろ無理と言っても過言ではありません。「異国の環境を国内で再現することは不可能」だからです。

人種差別の非条理さは、人種差別された経験がある人にしかわかりません。海外に出ると、軽い人種差別のような経験を必ず味わいます。

宗教の違いでトラブることは、国内の日常生活ではまずないでしょう、でも海外だと日常茶飯事です。相手がどの国の人かを確認してから物事を進めなければならない場面も、日本国内ではそうそうありません。

しかし一歩日本の外に出ると、毎日がこれまでぶち当たったことのない経験や、戸惑いだらけなのです。

そしてそのような「異文化体験」は若いうちに経験することによって、その子の視野が想像以上に広がり、その後の進路にも大きな影響を与える可能性があります。

世界には様々な人種がいて、驚くほど多種多様な考え方、思想が存在する。それを肌で感じることができる期間限定の経験が、留学なのです。

親にも「送り出す勇気」が必要

もしもお子さんが「海外」に興味を持ち始めたら、是非、応援してあげて下さい。

親自身に異文化体験や留学経験がない場合、子どもの背中を押してあげること自体とても勇気がいることです。きっと、私の両親も同じ気持ちだったと思います。

それでも、我が子が国外に目を向け始めた時がチャンス。

「かわいい子には旅をさせろ」、そして若い時の経験は文字通り「Priceless」です。

広い視野と多くの価値観を備えることは、子どもにとっても大きな糧となること間違いなしです。

高校留学。多くの団体・機関が存在します。ご興味あるご家族は、一度、お子さんと調べてみてはいかがでしょうか?


この記事の著者

エメラルド

エメラルド

都内在住40代の働くママ。ただし2人の息子の育児を最優先すべく、自営で時間をやりくりしながら充実しまくった育児生活を満喫中。「人間を育てるには年月がかかる。短期的プランでは無理」と心から思っており、幼児教育や人材育成、また海外経験を生かしたグローバル教育をライフワークとする。息子達はバイリンガル。

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