Gap Year ~大学入学や就職前にちょっと立ち止まる制度について~


寄り道できない、日本の学生たち


大人になって過去を振り返った時、高校生~大学、大学院卒業までの間に「ちょっと寄り道して、他の世界を見てみたいな」と思ったことはありませんでしたか?

日本では、進学や就職のタイミングで長期ブランクがあるとそれは「マイナス要因」として見られてしまいがちです。

大学浪人や就職浪人という表現がありますが、「浪人」の語源は「仕事を失った武士・侍の事。主君がいなくなった状態」という説明からもわかるようにあまりいい印象の言葉ではありません。

しかし、海外にはこの「浪人」というニュアンスが存在しないのです。

逆に、正々堂々と進学の過程において「寄り道」をする選択肢があります。

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、その制度を「Gap Year」と言います。

Gap Yearとは?


主に英国や米国で取り入れられているこのGap Yearを簡単に説明すると、

「親元・教員から離れた非日常下での社会体験(ボランティア、課外留学、長期の旅)や就業体験(インターンシップ、ワーキングホリデー、アルバイト等)で、期間は3-24ヶ月」

以上のように、特に「高校卒業から大学入学までの間」か「大学卒業から就職するまでの間」を指すことが多いようです。

私が高校留学していた時のホストシスターは大学卒業後就職するまでの2年間、世界的にも有名な“Peace Coaps (平和部隊、日本の青年海外協力隊のようなもの)”に参加し、ジャマイカに滞在していました。

一方私は大学4年生。就職先も何とか決まった状態で、卒業旅行を兼ねてジャマイカのホストシスターを訪ねに行きました。

ジャマイカは「観光地」と「現地住民」の空間が残酷なほど分離されている国で「現地住民」と生活する彼女と共に過ごした数日間は、今でも忘れられない貴重な経験です。

そして「海外では、大学を出てから就職するまでの期間に、このような経験をする機会があるのだ。日本では『新卒一括採用制度』が主流なので、私にはできない経験だ」と半ばショックを受けて帰国しました。

何故なら、同じ年齢、同じ性別の人間に与えられる選択肢が、これほどまでに違うという事実を目の当たりにしたからです。

日本での長期休みを有効に


そうは言っても、日本国内にいると中学生ですら「長期休暇」を確保するのが困難な現状があります。学校が休みの期間でも通年部活動があったり、受験の準備が必要だったり。

一つのことに熱中するのは素晴らしいことです。特にその子自身に明確な目標がある場合は、部活動も受験勉強も一生の財産になるでしょう。

しかし、全ての子どもや学生が「明確な目標」を持ちながら生活しているかと言うと、そうとは限らないのではないでしょうか?

例えば学校の部活動を休むことになったとしても、参加したいキャンプがあったり、行ってみたい場所があったり、取ってみたい講座があったら、そちらを優先させる選択肢も「あり」だと思います。

スポーツを例に挙げると、プロにでもならない限り複数のスポーツを同時並行して習得するメリットは証明されており、「学校の部活はバスケだけど、夏は好きなテニスのキャンプに参加してみる」、「1週間プログラミングの講座を取ってみたい」等の実現が可能であれば、子ども達は「小さな寄り道」をしながら様々な体験ができるわけです。国内Gap Yearです。

学校との連絡を密に取る


海外のGap Year制度の導入や概念の受け入れには、まだもう少し時間がかかりそうです。

しかし、経験値を増やす為に学校外での活動を取り入れるか否かは、家族の方針やその子の将来に大きく影響します。

子どもの意思が強く、親自身も実行する意味があると判断した「経験の場」が学校外に存在する場合は、学校の先生や部活の顧問に事情を説明して認めてもらう勇気も必要です。

その為には、普段から学校と意思疎通ができるよう心掛ける姿勢も大切になってきます。

子どもと同じ「子ども時代」を経てきた親だからこそ、若い時期における多種多様な経験がいかに大切か実感できるのではないでしょうか?

これからは世界中の人たちと、同じ舞台に上がるチャンスも多くなる若者達。

是非、日々の育児の中にもこの「Gap Year」の考え方を取り入れてみて下さい。

「寄り道」。たまには必要です。


この記事の著者

エメラルド

エメラルド

都内在住40代の働くママ。ただし2人の息子の育児を最優先すべく、自営で時間をやりくりしながら充実しまくった育児生活を満喫中。「人間を育てるには年月がかかる。短期的プランでは無理」と心から思っており、幼児教育や人材育成、また海外経験を生かしたグローバル教育をライフワークとする。息子達はバイリンガル。

この著者の最新の記事

関連記事

ページ上部へ戻る