食べられないことは、マイナスじゃない! 「絵を描く」ことで食べ物を楽しむアレルギーっ子。


日本でもオーストラリアでも、食物アレルギーをもつ子どもが増えてきました。

食事は毎日の生活に欠かせないものなので、アレルギーの子どもを持つ家族は、家でも外でも学校でも、さまざまなチャレンジを強いられることがあります。

私の息子も食物アレルギーがあり、今でも除去食をしています。これは、そんなアレルギーっ子の彼から教えてもらった、人とはちょっと違う食べ物の楽しみ方です。

あれもこれも、「食べられない」という現実


私の息子は、生まれた時から小麦・卵・乳製品・ナッツ・甲殻類にアレルギーがあり、生後6か月の時には入院するほどでした。

あまりに多くの品目にアレルギーがあるので、私の体調を考えて医者から母乳もストップするように言われ、以来、息子の食事はいつでも「一人だけ除去食」という状態が続いています。

赤ちゃんの頃はまだよかったのですが、息子が4歳になるころ「あれは何?」とお友達が食べている物や、ファストフードのお店に興味を示すようになりました。

子どもが成長する上でごく自然なことなのですが、「あなたは食べられない」という事を伝えるのが辛くて、私は「気にしなくていいのよ」と言ったり、お店の前を通らないようにしたりしていました。

人々の親切心まで、受け入れられなくなった


さらに私が気を使ったのは、電車の中やスーパーなどで、ほかの大人たちから頂く「おやつ」のキャンディーやチョコレートです。

ほとんどの物が食べられないので、私から丁寧にお断りしていましたが、手を出してもらいそびれた息子は「今のはなあに?」と質問してきます。

私は息子に対して申し訳ない気持ちになって、親切心でおやつをくれた人に対しても、「そういった行為はやめてほしい…」と思ってしまっていました。

お友達の誕生日パーティーや、ホームパーティーでも、息子が食べられない物が出てくる場所では、同じような気持ちになるので、「どこにも出かけたくないな…」と思ったこともありました。

「食べられないこと」をマイナスに考えていたのは、息子ではなく、自分だった。

ある日、息子がテーブルの上に置いてあったバターキャンディーをじっと見つめていました。

「しまった! 人からもらったけれど、息子は食べられないので、よけておいたのに…。捨てればよかった、どうしよう…」

と思っていると、息子は「赤くて、まあるいね」と言って、紙とクレヨンで絵を描き始めました。

どうやらキャンディーのラッピングが可愛いと思ったようです。本物そっくりになるように、大きさまでそろえて描いた後、ハサミで切りとって横に並べてくれました。

その絵がとても可愛らしくて、私も嬉しくなり「わぁ、上手に描けたね。写真に撮ろう!」と言って、写真を撮って見せると、息子も「そっくりだね~!」と言って、とても喜びました。

その日から、食べられる・食べられないにかかわらず、「絵を描く」という別の方法で、息子は食べ物を楽しむようになりました。

そこで初めて気づいたのですが、息子にとっては「食べられる・食べられない」はそんなに重要ではなく、それよりも純粋に「見た目がカラフルで面白い」とお菓子の外見に興味を持っていたのです

食べられる・食べられないにとらわれていたのは、まぎれもなく私でした

これがきっかけで、人からいただく「おやつ」も、誕生日パーティーも、素直に楽しめるようになりました。

息子は家でも幼稚園でも、食べ物だけでなく、あらゆる物を「本物そっくりに描く」ことにハマり、絵を描くことが大好きな子になりました。

息子は今でも「除去食」です。残念だけど食べられないね~と彼に言わなければいけない事も多々あります。

けれど、「楽しむ気持ち」まで「除去」してしまわないように、何事も「いかに楽しむか」を彼と一緒に模索し続けています


この記事の著者

Tsukky

Tsukky

南半球のオーストラリアで男の子・女の子、2人の小学生を子育て中のママです。食物アレルギーがあったり、男の子と女の子の成長のちがいに驚きの毎日ですが、オーストラリア流の「のんびり子育て」を楽しんでいます。

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