世界中で、深い感動を巻き起こしたコラム「Welcome to Holland」 障がいやアレルギーのある子どもの子育てとは


ハンディーキャップ(障がい)やアレルギーをもつ子どもとの生活は、スペシャルケアが必要だったり、出来ない事や手がかかることがあったりして、大変だなと感じることもあると思います。

そんな生活のほとんどが、こちらが心の準備をする余裕もなく、突然はじまります。親としては、そんな「人とは違う子育て」に不安になったり、落ち込んだりすることもあるでしょう。

私自身、生後6か月の息子に重度の食物アレルギーがあると知ったとき、スーパーマーケットで食材を買おうとして、今まで使っていた食材が何一つ使えないと分かり、呆然としたのを覚えています。

これからどうしたら良いのか分かりませんでしたし、一方で親として何とかしなければ、というプレッシャーも感じて、押しつぶされそうになりました。

そんな時に、友人から教えてもらったコラム「Welcome to Holland」を読んで、とても気分が楽になりました。

このコラムは、ハンディーキャップのある子どもを持つ、たくさんの親たちから絶賛され、今もくりかえし読み返されているコラムです。今回は、その内容をご紹介したいと思います。

著者はアメリカの人気子供番組「セサミストリート」のライター
エミリー・キングスレー(Emily Kingsley)さん

著者であるエミリーさんは、アメリカの人気番組「セサミストリート」のストーリーライターをしていました。

彼女には、ダウン症の息子さんがいます。ダウン症の子の子育てを通して、感じたことを書いたのが、この「Welcome to Holland」でした。

スペシャルケアが必要な子どもの子育てとは、どういうものか、どんな気持ちで向き合えば良いのか。1987年に発表されたこのコラムは、今もアメリカのダウン症協会のウェブサイトで公開されており、今でも多くの親たちの間で、シェアされています。

アメリカのダウン症協会
http://www.ndss.org/Resources/New-Expectant-Parents/A-Parents-Perspective/

Welcome to Holland ~オランダへようこそ~
エミリー・キングスレー

私はよく「ハンディーキャップのある子どもの子育てはどういうもの?」と聞かれることがあります。このユニークな経験を想像してもらうのは難しいかもしれません。

それは、たとえるとこんな感じです…

あなたに赤ちゃんが生まれると分かったとき、それからの計画は、まるで「素敵な旅行のプラン ~イタリア旅行~」を立てるようなものだと思います。

誰もが憧れるイタリアへの旅行。ガイドブックを購入して、イタリアでどう過ごすかプランを立てます。

有名なコロセウムに行って、美しいダビデ像を見て、ヴェニスではゴンドラにも乗りたいな。片言のイタリア語も覚えたりして、すべてがとても楽しみです。

その後何か月も「待ちきれない思い」を抱えたあなたに、やっとその日がやってきます。あなたは旅行カバンを持って出発します。

何時間かのフライトを終えて、飛行機が降り立ったのは…

オランダ? イタリアではなく、オランダ!?

フライトアテンダントが笑顔で言います「オランダへようこそ」。

え、ちょっと待って! 私たちはイタリアに行きたかったのよ! 何か月も、私たちはイタリア旅行を準備して、待っていたのよ!

しかし、フライトプランは変更され、着いたところはオランダなのです。あなたはオランダに滞在するしかありません。

大切なことは、そこは汚くて臭い、病気の蔓延したような場所ではありません。ただただ、別の場所だということです。

さあ、あなたは飛行機を降りて行かなくてはなりません。

ガイドブックも新しいものが必要ですし、イタリア語は忘れて、新しい言葉を覚えなおす事も必要です。出会う予定ではなかった人たちに、新しく出会うことになるのです。

そこはイタリアよりもゆっくりと時間が流れていますし、イタリアのような派手さもありません。

それでも、一呼吸おいてあたりを見まわしてみれば、気づくはずです。

オランダには水車があって、かわいいチューリップも咲いています。有名なレンブラントの絵もあるのですよ。

でもあなたの友人たちは、イタリア旅行に大忙しです。そして、イタリア旅行がどんなに素晴らしいかを自慢してくると思います。その度にあなたは思うでしょう、私もそこに行くはずだったのに…と。

その気持ちは、どんなに拭い去ろうとしても、できるものではなりません。それほどの大きな損失だったのです。

それでも、そうやってイタリアに行けなかったことを悲しんでばかりでは、いつまでたっても、この「スペシャルで可愛らしい国・オランダ」を心から楽しむことはできないのです。

オランダへようこそ。さあ、あなたの楽しい旅行をはじめましょう。


この記事の著者

Tsukky

Tsukky

南半球のオーストラリアで男の子・女の子、2人の小学生を子育て中のママです。食物アレルギーがあったり、男の子と女の子の成長のちがいに驚きの毎日ですが、オーストラリア流の「のんびり子育て」を楽しんでいます。

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